• 経営者のための読むコーチング 第11回「PDCAのD(ドゥ:実行)」

    『経営者のための読むコーチング』シリーズは、経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。では、本題に移ります。

      前回は、PDCAの最初の「P(プラン:計画)」について書かせて頂きました。今回は、PDCAの「D(ドゥ:実行)」について書かせて頂きます。

      作った事業計画は、実行されなければ価値を生みません。しかしながら、実行されない事業計画をたくさんみてきました。折角、練りに練った計画なのに、非常にもったいないです。  

    そこで実行されない理由を探ったことがあります。その答えは、事業計画を実行する時間がない、というものでした。経営者であっても、社員であっても同じなのですが、皆さん基本的には従来からある業務で手が一杯です。余剰な人員を抱えている中小企業はまずないです。皆さん日々のルーティン作業がしっかりあります。また、業務というのは不思議なもので、時間が空くと、やらなくても良いような業務が自然と生み出されて、いくら時間があいてもすぐにうまってしまいます。そして一度生み出された業務は、余程のことが無い限り無くなりません。

    そんな状況の中で、新しい事業計画を実行する訳ですから、無理矢理にでも時間を確保しなければ、「あの計画はすすんでますか?」「はい、やろうとしているのですが時間がなくて出来ませんでした!」という会話が繰り返され、いつしかピカピカの事業計画もただの妄想に変わってしまいます。

    では、確実に実行するための方法はなんでしょうか。

    誰が、いつ、どこで、何を、何のために、どれだけの量を、どのように、いくらの予算で、を明確に決められるかどうかにかっかってきます。   

      そして、そのコツは、実際に実行する社員に予め計画してもらうことです。そこまでできれば実行される確率はかなり上がります。

    では、お尋ねします。

    ・毎日繰り返す業務の中で、利益に直接結びつかない業務を3つあげて下さい? 

    ・間接的な管理業務で、10年前と同じことをしいる業務を3つあげて下さい? 

        ・部下でも出来る業務を3つあげて下さい?

    定期的に見直さないと、ここで考えてもらったような業務は増え続けます。これらを思い

    切って止める、或いは部下に任せるしか時間を空けられません。新しい事業計画を実行するために、決断が必要です。

    では、次回は、PDCAの「C(シー:確認)」について詳しく書かせて頂きます。

  • 経営者のための読むコーチング 第10回「PDCAのP(プラン:計画)」

      『経営者のための読むコーチング』シリーズは、経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。では、本題に移ります。

      前回は、日々の行動が洗練される「PDCA」全般について書かせて頂きました。今回は、PDCAの最初の「P(プラン:計画)」について書かせて頂きます。

      事業計画を作るなかで、どのような戦略をとるかはとても大切なことですが、決定するのは、また、とても難しいことです。

      まず、最初に、当社にとって何が解決すべき課題でしょうか。単純なところで、よく思いつかれるのが、売上を増やすことです。経営者にとって売上の増加は魔法のように魅力的です。そこで、売上さえ増えれば全て解決できる、と毎月の売上を前年比5%アップにして計画を作成し、計画を作った気になられる場合がとても多いです。

      いやいや少しお待ち下さい。もともと売上を増やそうと努力してきたではないですか。また、売上が増えたのに、黒字にならない、資金が足りない、ってことになってませんか。

      そうなんです。大きく売上と捉えてしまうと、そこからまともな戦略は思い浮かびません。思考停止してしまいます。そこで、さらに売上が思ったように上がらない、利益が十分でない理由を考えてみましょう。

      商品やサービスに今も魅力はありますか。値下げ合戦に巻き込まれていませんか。営業マン教育は十分にできていますか。サービスを提供する人材や、製造するための人材は不足していませんか。外部の協力者とは良い関係を結べていますか。こうした視点で今の事業を見直して下さい。

      次にとるべき戦略は4つあります。

    • 今ある商品を、今のお得意先にもっと多く販売する、または値上げする
    • 今ある商品を、新たなお客様を開拓して販売する
    • 新しい商品を開発して、今のお得意先に販売する
    • 新しい商品を開発して、新しいお客様を開拓して販売する

    難易度は①から④の順番です。もうお分かりのとおり④は、全く新規の事業展開です。ほぼ起業に近いことで、成功確立はかなり下がります。

    ここまで、売上について少し詳しく説明しました。課題は売上だけではないはずです。不足しているものを考えただけでも、粗利益、人、資材、資金、場所、パートナー、など足りないずくしではないでしょうか。

    これらの課題を解決するため、何らかの取組が必要です。

    では、お尋ねします、

    ・自社の業績に大きな影響を与えている環境の変化を3つあげて下さい? 

    ・自社の強みと弱みを3つずつあげて下さい? 

        ・その強みを活かした新しい取組を3つあげて下さい?

        ・その取組に優先順序を付けて下さい?

    既存の事業だけで、手が一杯で、新しい取組にかけられる時間や資金はそんなに多くないはずです。優先順序をよく考えて、取組を開始して下さい。その取組を事業計画としてまとめて下さい。キーワードは、「課題を価値に変える」です。事業のボトルネックになっている課題は、御社だけの課題ではないことが多いです。この課題を解決すれば、一気にオンリーワンになれる可能性が開けてきます。

    では、次回は、PDCAの「D(ドゥ:実行)」について詳しく書かせて頂きます。 

  • 経営者のための読むコーチング 第9回「PDCA」

       『経営者のための読むコーチング』シリーズは、経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。では、本題に移ります。

      前回は、日々の行動が洗練される「単年度経営計画」について書かせて頂きました。今回は、「PDCA」について書かせて頂きます。

      P(プラン:計画)D(ドゥ:実行)C(チェック:確認)A(アクション:改善行動)、計画―実行―確認―改善の頭文字をとってPDCAと言っています。いわゆる経営サイクルです。この経営サイクルの仕組みをいかに社内に作るか。せっかく考えた事業プランを使って確実に成果を上げるために、なくてはならない仕組みです。

      それぞれにポイントがありますので、次回以降、個別に解説したいと思います。今回は、この経営サイクルそのものについて考えてみましょう。既に軌道にのった事業を継続するのには、この仕組みは大きな威力は発揮しません。目先の業務をこなし、毎年、毎月、毎日のルーティーンをこなしておけば、大きな問題はないところです。実際に会社の業務の大半はルーティーンワークです。

      一方で、好調だった既存の事業も、社会や環境の変化、ライバル企業の参入などにより、いつか下降線をたどることがほとんどです。その時に、事業内容をリニューアルし、あるいは新規の事業を開始しなければ、早晩立ちゆかなくなってしまいます。

      そこで何をすれば良いか。何をするか、この事業プランを決めるのが計画であり、その計画を成果に結びつけるのが経営サイクルです。この仕組みなしに新規の事業プランを考えても、アイデア倒れになることが多いです。何故なら、経営者を初め、社内はルーティーンワークで手が一杯になっているからです。ついつい、先送りされてしまい、又は、やりっ放しで成果がでないという結果になります。

    また、表層的にPDCAを回していると、知らず知らずに目標が目的になってしまい、本来のゴールを見失うことになります。頻繁に振り返り、改善すべき点、上手く行っている点を話し合う機会を仕組みとして備えておくことが重要です。

    では、お尋ねします、

    ・今まで思いついた事業プランで、改めて挑戦したいものは何ですか? 

        ・その事業プランをやりきるのに必要なものは何でしょうか?

        ・その事業プランの成否をいち早く測る方法はありますか?

      「PDCAの経営サイクル」と事業プランがあれば鬼に金棒です。

      では、次回は、PDCAの「P(プラン:計画)」について詳しく書かせて頂きます。 

  • 経営者のための読むコーチング 第8回「単年度経営計画」

       『経営者のための読むコーチング』シリーズは、経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。では、本題に移ります。

      前回は、肩の力を抜いて、やりがいのある未来を形にする「中期経営計画」について書かせて頂きました。今回は、「単年度経営計画」について書かせて頂きます。

      中期経営計画を作成することで、おぼろげだった未来が、実現できそうな未来に変わってくればしめたものです。実現した姿が、解像度高く明確で、さらにカラーで見えるほどになってくるまで、味わい尽くして頂けると一番良いです。

      そこで、その明確に見えてきた未来から逆算して下さい。今、何をすべきか。今日の行動が、未来にどのように影響するか。

    例えを一つ出します。あくまでも参考のイメージです。

    WEBマーケティングにより100件のクリックから1件のお問い合わせが発生します。

    次に、10件のお問い合わせから1件の商談が始まります。

    2件の相談から1件の見積請求がきます。

    5件の見積から1件新規取引が開始します。

    2件に1件がリピーターとして固定顧客になります。

    では、新規の固定顧客を100件増やすために、何件のクリックが必要でしょうか。

    答:100顧客×2新規取引×5見積×2相談×10問い合わせ×100クリック

    =2,000,000件クリック

    ここから単年度経営計画です。3年後に100件の固定顧客と取引の契約をするために、

    今年度は何が必要ですか。ホームページ、コンテンツ、WEB広告は万全でしょうか。不足しているものがあるとしたら、誰に、何時、いくらの予算で、誰が、どんな方法で依頼しますか。

      このような将来からの逆算で、今期実行すべきことを具体的に決定していくのが、単年度経営計画です。まさしく行動計画です。目標売上などの金額を示した、ノルマや予算とは全く違うことが分かって頂けるでしょうか。

    では、お尋ねします、

    ・今やっていることを続けていった場合、3年後の目標は実現しそうですか? 

        ・3年後の目標を実現するために、明日、必ずすべきことは何ですか?

        ・明日、やらなくても良いことが予定に入ってませんか?

      「単年度経営計画」が出来上がると、毎日の行動が洗練されてきます。行き当たりばったりの経営からの脱却です。その先には、やりがいのある未来が待っています。

      では、次回は、単年度経営計画を上手く運用する仕組み作り「PDCA」について書かせて頂きます。

  • 経営者のための読むコーチング 第7回「中期経営計画」

      『経営者のための読むコーチング』シリーズは、経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。では、本題に移ります。

      前回は、マネジメントの父と言われたピーター・F・ドラッカーの「5つの質問」について書かせて頂きました。今回は、「中期経営計画」について書かせて頂きます。

      経営計画は、大企業では当然のごとく普通に作成されていますが、中小企業になると、作成されている比率は一気に下がります。2022年の中小企業白書では、中規模事業者では7割弱、小規模事業者では5割弱が作成している、となっています。会社の規模が大きくなるにつれて作成割合が増加している実態があります。事業を成長させるためには、経営計画は必然のツールとも言えます。

      経営計画の中でも、3年から5年後までを含めた「中期経営計画」は、将来の経営を考える上で、かなり役に立つツールです。将来のことは分からない、分からないからこそ、いろんな経営環境の変化を予測しつつ、その準備を進めるために「中期経営計画」は最適です。

    では、お尋ねします、

    ・今のままで、3年後も同じ売上を上げられますか? 

        ・3年後に大きく変化してそうな事で、経営に影響のあることを3つ上げられます

    か?

        ・自社の収益力を高めるためにじっくり取り組みたい事は何ですか?

      「中期経営計画」についてはお伝えしたいことは沢山あるのですが、まずは、肩の力を抜いて、やりがいのある未来を、計画という形にして楽しんで頂きたいと思います。

      では、次回は、「単年度経営計画」について書かせて頂きます。 

  • 経営者のための読むコーチング 第6回「5つの質問」

      『経営者のための読むコーチング』シリーズは、経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。では、本題に移ります。

      前回は、経営ビジョンを実現して、最高の瞬間を手に入れるためにすべきこと、「行動指針」について書かせて頂きました。今回は、マネジメントの父と言われたピーター・F・ドラッカーの「5つの質問」について書かせて頂きます。

      「5つの質問」とは、文字通り5個の質問ですが、実際には、その5個に中にさらにいくつかの質問があります。これらに答えていくことで、事業の方向性を明確にすることができるようになっています。

    • われわれのミッションは何か
    • われわれの顧客は誰か
    • 顧客にとっての価値は何か
    • われわれの成果は何か
    • われわれの計画は何か

      その中でも、「顧客はだれか?」という質問は、考えさせられる事が多い質問です。一見すると顧客は商品やサービスの売り先です。しかし、本当に自社の商品やサービスを利用し、効果を得ているのは誰でしょうか。目先のお客様だけではない場合も多いです。

      また、顧客の定義を変更すると、それ以下、3から5の答えも変わってきます。そのために取るべきビジネスモデルや戦略が変わります。

    例えば、会計事務所の顧客は、顧問先の会社であることが常識的な回答です。そこを敢えて、経営者、経営者の奥様、後継者、経理部長、税務署、銀行、証券会社と置き換えてみることもできます。置き換えた顧客に提供すべきサービスはかなり変化するのではないでしょうか。では、お尋ねします、

    ・5つの質問に明確に答えられますか? 

        ・顧客を再度、考え直した場合、全く違うビジネスが思い浮かばないですか?

      「5つの質問」については解説書もたくさん発行されています。ぜひ、定期的に考え直す機会を設けて、環境の変化に対応されることをおすすめします。

      では、次回は、「中期経営計画」について書かせて頂きます。

  • 経営者のための読むコーチング 第5回「行動指針」

        『経営者のための読むコーチング』シリーズは、経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。では、本題に移ります。

      前回は、経営理念を実現するために強い味方になるビジョンについて書かせて頂きました。今回は、ビジョンを実現して、最高の瞬間を手に入れるためにすべきこと、「行動指針」について書かせて頂きます。前回に引き続き後継者に限らず、すべての経営者に共通するコーチングです。

      行動指針、最近ではよくクレドという言葉を耳にされることも多いと思います。微妙な差はありますが、概ね同じように扱われることも多いです。日々の事業活動のなかで直面する様々な場面で、経営者のみならず、社員全員がとるべき行動についてまとめたものです。日々の活動のなかで、「これは譲れない、外せない」と思われる行動について明確にしたものです。

    また、判断に迷った時には、経営理念に照らし合わせて判断するのが基本にはなりますが、ゆっくり考えている時間がない場合など、反射的な行動を求められる場合に、この行動指針がきちんとまとまっていると便利です。なので、かなり細かい場面まで想定して作り込む場合もあります。

      この行動を繰り返すことで、日々、ビジョンの実現を目指して全社一丸となって事業活動に臨めれば、必ず成果に結びつく行動、それが『行動指針』です。では、お尋ねします、

    ・ご自身で日々気を付けておられる事で、是非、社員にもまねて欲しい行動を、上から

    3つ上げて下さい。 

        ・顧客に一番喜んでもらえた行動は、どんな行動でしたか?

        ・ご自身の言動のクセで、できれば止めたいことは何ですか?

      行動指針に従って活動するのは経営者も含めて社員全員です。まとめられる際には、社員も巻き込んで、一緒に作られると良いでしょう。人から言われてすることより、自ら考え出した方が、皆さん積極的に動かれます。行動指針と言えば、リッツカールトン大阪のクレドが有名です。機会があれば参考になさって下さい。

      では、次回は、マネジメントの父と言われたピーター・F・ドラッカーの「5つの質問」について書かせて頂きます。

  • 経営者のための読むコーチング 第4回「ビジョン」

      『経営者のための読むコーチング』シリーズは、経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。では、本題に移ります。

      前回は、事業の目的としての経営理念に関して質問させて頂きました。今回は、その経営理念を実現するために強い味方になる「ビジョン」について書かせて頂きます。前回に引き続き後継者に限らず、すべての経営者に共通するコーチングです。

      ビジョンとは、経営理念を実現した姿を可視化したものと考えています。経営理念がしっかり定まり、我が社の存在意義や存在価値を社員と共有できた状態だとします。向かう方向に迷いはありません。では、その方向にどの程度のスピード感で、どんな行動を具体的に起こせばいいのか。ここが肝心です。

      そこで、具体的な行動を考える前に、仕事を通じて感じる最高の瞬間を、先に、明確にしておきましょう。明確にすることで、その瞬間を得るために、具体的に何をすればいいのかがわかってくるはずです。経営理念は、すこし抽象的で、大きな方向性や考え方を示してくれますが、この最高の瞬間は、極めて明確なワンシーンです。このワンシーンが明確であればあるほど、目指す結果を社員全員で共有しやすくなります。そして、経営理念への理解もより深まっていくことでしょう。

      この最高の瞬間を言葉で表現したものが『ビジョン』です。では、お尋ねします、

    ・「ああ、良い仕事をしたなぁ!」と思った仕事のシーンはどんな感じでしたか? 

        ・将来、この瞬間を味わいたい、と思うシーンはどんな感じですか?

      決して一つのシーンに拘る必要はないです。いくつもあって当然です。是非、社員にも尋ねてみてください。その中で、経営理念を実現できたと思えるものを、経営者の言葉で表現して下さい。きっと良いビジョンができあがります。

      では、次回は、この最高の瞬間を得るために何をするのか、「行動指針」について書かせて頂きます。

  • 経営者のための読むコーチング 第3回「経営の目的」

    『経営者のための読むコーチング』シリーズは、経営上のいろんな決断の場面を想定して、

    その時、何を考え、何を決断するのか、読むだけで頭の整理をして、

    気づきを得て頂くことを目指しています。

    では、本題に移ります。

    前回、経営を承継するにあたり、

    経営者としてのゴールは何か、という質問をさせて頂きました。

    今回は、そのゴールを達成するために、大切なものの一つについて書かせて頂きます。

    今回からは後継者に限らず、すべての経営者に共通するコーチングです。



    事業を独りで遂行する場合には、前回お伺いしたゴールが経営の目的と一致します。

    例えそれが、極めて個人的な嗜好に基づくものであっても、全く問題ありません。

    どちらかと言えば、個人的な嗜好に基づくゴールの方が、

    経営者の事業に打ち込む情熱がより沸き立つのではないかと思います。


    しかしながら、事業を独りで完結するのは難しいものです。

    特に、ある程度、規模が大きくなると、協力者が必要になってきます。

    最大の協力者と言えば、やはり社員です。

    経営者独りでは手が回らない事を、社員に助けてもらう訳です。


    そこで、協力する社員の立場になって考えてみましょう。

    自分が働く会社の事業の目的が、経営者の個人的な嗜好で、

    それが、共感できるものかどうか。

    共感できるものであれば、全く問題ありません。

    ところが、経営者だけにしか理解できない目的であったり、

    経営者だけの幸福を追求するものであったりした場合、

    誠心誠意、経営者に協力することができるでしょうか。


    そこで、社員にも共感できる事業の目的が必要になります。

    難しい解説は抜きにして、この目的を「経営理念」と言います。

    経営理念のまとめ方については、別の機会にさせて頂きます。では、お尋ねします、


    ・経営理念は、まとまっていますか?

    ・その経営理念は、社員の立場からも、心から支持できますか?


    他社の経営理念を覗いてみようと思えば、

    そこそこの大手企業であれば、ホームページに掲載されています。

    教科書的に良いか悪いかは別にして、大切なことは、社員にも共感できるかどうかです。


    経営理念に社員が共感できると、組織としての会社のベクトルが同じ方向に向かいます。

    そうなると1人と1人の力の和が、足し算ではなく、かけ算になり、

    ゴールに向かう力が格段に上がります。


    そして、この質問に明確に答えられ無かった方。

    チャンスです。是非、社員と一緒に経営理念を明確にまとめ直されることをお薦めします。



    では、次回は、経営の目的である経営理念を達成するために、

    必要なものの一つ、ビジョンについて書かせて頂きます。

  • 経営者のための読むコーチング 第2回「経営承継の決断②」

    『経営者のための読むコーチング』シリーズは、

    経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、

    読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。

    では、本題に移ります。

    前回、経営を承継するにあたり、ビジネスモデルを把握しているか、

    という質問をさせて頂きました。

    今回は、その先の後継者としてのゴールについて書かせて頂きます。



    後継者が経営を承継した先に、どんなゴールをめざすのか、ということはとても大切です。

    このゴールの設定に決められたものはありません。

    むしろ、ゴールを自由に設定できることこそ、経営者の醍醐味だと言えるでしょう。


    今まで、拝見した経営者のゴールには次のようなものがありました。一部を紹介させて頂きます。

    ・会社を成長させる。

    ・先代を超える

    ・社員を従わせる

    ・とにかく稼ぐ

    ・社会の課題を事業で解決する

    ・社会にインパクトを与える

    ・他人より良い暮らしをする

    ・子供に引き継ぐまでに無借金にする


    一見、立派なものから、泥臭いものまでいろいろあります。

    経営者の本音ですから、何が良いとは言えません。

    考えること、思うことは本当に自由です。

    公の場所で聞かれたら、気恥ずかしくて、とても答えにくいこともあります。

    でも、ここでしっかり自分の心と向き合っておかないと、どこかで後悔することになります。

    では、お尋ねします、


    ・経営者としてのゴールは何ですか?


    この、ゴールに対して、ご自身がどれだけ執着できるか。

    それ次第で、事業の成否とやりがいが大きく左右されます。

    後継者の方に限らず、この記事を目にされた経営者の方、一度、じっくり考えてみて下さい。

    ご自身の本当の心の中に気づかれた時、凄い力が湧き出てくると思います。


    では、次回は、そのゴールを目指すために必要なものは何か、について書かせて頂きます。

  • 経営者のための読むコーチング 第1回「経営承継の決断①」

    『経営者のための読むコーチング』シリーズは、

    経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、

    読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。

    では、本題に移ります。

    京都には200年を超える老舗企業がたくさんあります。

    私どものお客様にも数多く十数代目の社長がおられます。

    脈々と経営を引継、事業を継続されるのは大変なことです。心から敬服しています。



    さて、今回は、そんな大変な経営承継の場面です。

    先代から経営を承継することは、

    十数代目であっても二代目、三代目であっても基本的には同じような悩みを抱えられます。

    そう言う私も会計事務所の二代目経営者です。



    ある時、三代目経営者になる予定の28歳の方から質問されました。

    「経営者になるって何をすることですか?」

    「対外的なお付き合いに顔を出して、地域や同業の経営者と付き合うことでしょうか?」


    突然の質問だったのと、適当に答える内容では無かったので、

    咄嗟にその場で何と答えたかは、忘れましたが、

    後日、改めて経営承継についてお話する場を作って頂いたのを記憶しています。



    確かに、事業に関わって日が浅く、会社の全貌も分からず、

    さらに先代経営者とのコミュニケーションも希薄な状況では、

    悩む以前に、何をして、何ができて、何をしなければならないのかも

    全く分からないのも無理はないです。



    このような場面で、後継者の方や初めて会う経営者の方にいつも聴いているのは、

    次のようなことです。

    ・御社のビジネスモデルを簡単に説明して頂けますか?

    ・難しいことではなく、何を仕入れて、何を売って、何で利益を上げていますか?

    ・そのビジネスモデルの特徴、他社との違いを教えて下さい?

    いかがですか。しっかりした経営者は、この質問にすらすらと答えられます。

    簡潔にも説明して頂けるし、こちらからさらに質問すると、より詳しくお話して頂けます。

    一方で、この質問に困られた方は、

    まずは、社内の状況を見渡して、この質問に答えられるようになるのが経営承継の第一歩です。


    その時に、「人・物・金・情報」に分けて会社の状況を把握されると良いでしょう。

    会社のビジネスモデルの特徴が見えてくると、その先の事が気なってきます。

    今後起こりうる社内外の環境の変化にどう対応するか、

    何が課題か、今まで意識してこなかったことが気になってきます。


    ここで、将来の可能性を感じて、やる気が高まってくればしめたものです。



    では、次回は、その先の後継者としてのゴールについて書かせて頂きます。

  • 経営者のための読むコーチング

    『経営者のための読むコーチング』シリーズは、

    経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、

    読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。

    実際に経営者が遭遇する各場面を想定して、その時どんな決断をされるか、シミュ

    レーションとして展開していきます。

    それぞれの場面で、質問を2つか3つ用意しておきます。ご自身の立場でじっくり

    考えて頂くことで、コーチング体験をして頂くことができます。

    最後まで進むと、経営の日常のほとんどをカバーする内容を目指していますので、

    楽しみに読進んでください。

    では、次回から本題に移ります。