• 経営者のための読むコーチング 第5回「行動指針」

        『経営者のための読むコーチング』シリーズは、経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。では、本題に移ります。

      前回は、経営理念を実現するために強い味方になるビジョンについて書かせて頂きました。今回は、ビジョンを実現して、最高の瞬間を手に入れるためにすべきこと、「行動指針」について書かせて頂きます。前回に引き続き後継者に限らず、すべての経営者に共通するコーチングです。

      行動指針、最近ではよくクレドという言葉を耳にされることも多いと思います。微妙な差はありますが、概ね同じように扱われることも多いです。日々の事業活動のなかで直面する様々な場面で、経営者のみならず、社員全員がとるべき行動についてまとめたものです。日々の活動のなかで、「これは譲れない、外せない」と思われる行動について明確にしたものです。

    また、判断に迷った時には、経営理念に照らし合わせて判断するのが基本にはなりますが、ゆっくり考えている時間がない場合など、反射的な行動を求められる場合に、この行動指針がきちんとまとまっていると便利です。なので、かなり細かい場面まで想定して作り込む場合もあります。

      この行動を繰り返すことで、日々、ビジョンの実現を目指して全社一丸となって事業活動に臨めれば、必ず成果に結びつく行動、それが『行動指針』です。では、お尋ねします、

    ・ご自身で日々気を付けておられる事で、是非、社員にもまねて欲しい行動を、上から

    3つ上げて下さい。 

        ・顧客に一番喜んでもらえた行動は、どんな行動でしたか?

        ・ご自身の言動のクセで、できれば止めたいことは何ですか?

      行動指針に従って活動するのは経営者も含めて社員全員です。まとめられる際には、社員も巻き込んで、一緒に作られると良いでしょう。人から言われてすることより、自ら考え出した方が、皆さん積極的に動かれます。行動指針と言えば、リッツカールトン大阪のクレドが有名です。機会があれば参考になさって下さい。

      では、次回は、マネジメントの父と言われたピーター・F・ドラッカーの「5つの質問」について書かせて頂きます。『経営者のための読むコーチング』シリーズは、経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。では、本題に移ります。

  • 経営者のための読むコーチング 第4回「ビジョン」

      『経営者のための読むコーチング』シリーズは、経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。では、本題に移ります。

      前回は、事業の目的としての経営理念に関して質問させて頂きました。今回は、その経営理念を実現するために強い味方になる「ビジョン」について書かせて頂きます。前回に引き続き後継者に限らず、すべての経営者に共通するコーチングです。

      ビジョンとは、経営理念を実現した姿を可視化したものと考えています。経営理念がしっかり定まり、我が社の存在意義や存在価値を社員と共有できた状態だとします。向かう方向に迷いはありません。では、その方向にどの程度のスピード感で、どんな行動を具体的に起こせばいいのか。ここが肝心です。

      そこで、具体的な行動を考える前に、仕事を通じて感じる最高の瞬間を、先に、明確にしておきましょう。明確にすることで、その瞬間を得るために、具体的に何をすればいいのかがわかってくるはずです。経営理念は、すこし抽象的で、大きな方向性や考え方を示してくれますが、この最高の瞬間は、極めて明確なワンシーンです。このワンシーンが明確であればあるほど、目指す結果を社員全員で共有しやすくなります。そして、経営理念への理解もより深まっていくことでしょう。

      この最高の瞬間を言葉で表現したものが『ビジョン』です。では、お尋ねします、

    ・「ああ、良い仕事をしたなぁ!」と思った仕事のシーンはどんな感じでしたか? 

        ・将来、この瞬間を味わいたい、と思うシーンはどんな感じですか?

      決して一つのシーンに拘る必要はないです。いくつもあって当然です。是非、社員にも尋ねてみてください。その中で、経営理念を実現できたと思えるものを、経営者の言葉で表現して下さい。きっと良いビジョンができあがります。

      では、次回は、この最高の瞬間を得るために何をするのか、「行動指針」について書かせて頂きます。

  • 経営者のための読むコーチング 第3回「経営の目的」

    『経営者のための読むコーチング』シリーズは、経営上のいろんな決断の場面を想定して、

    その時、何を考え、何を決断するのか、読むだけで頭の整理をして、

    気づきを得て頂くことを目指しています。

    では、本題に移ります。

    前回、経営を承継するにあたり、

    経営者としてのゴールは何か、という質問をさせて頂きました。

    今回は、そのゴールを達成するために、大切なものの一つについて書かせて頂きます。

    今回からは後継者に限らず、すべての経営者に共通するコーチングです。



    事業を独りで遂行する場合には、前回お伺いしたゴールが経営の目的と一致します。

    例えそれが、極めて個人的な嗜好に基づくものであっても、全く問題ありません。

    どちらかと言えば、個人的な嗜好に基づくゴールの方が、

    経営者の事業に打ち込む情熱がより沸き立つのではないかと思います。


    しかしながら、事業を独りで完結するのは難しいものです。

    特に、ある程度、規模が大きくなると、協力者が必要になってきます。

    最大の協力者と言えば、やはり社員です。

    経営者独りでは手が回らない事を、社員に助けてもらう訳です。


    そこで、協力する社員の立場になって考えてみましょう。

    自分が働く会社の事業の目的が、経営者の個人的な嗜好で、

    それが、共感できるものかどうか。

    共感できるものであれば、全く問題ありません。

    ところが、経営者だけにしか理解できない目的であったり、

    経営者だけの幸福を追求するものであったりした場合、

    誠心誠意、経営者に協力することができるでしょうか。


    そこで、社員にも共感できる事業の目的が必要になります。

    難しい解説は抜きにして、この目的を「経営理念」と言います。

    経営理念のまとめ方については、別の機会にさせて頂きます。では、お尋ねします、


    ・経営理念は、まとまっていますか?

    ・その経営理念は、社員の立場からも、心から支持できますか?


    他社の経営理念を覗いてみようと思えば、

    そこそこの大手企業であれば、ホームページに掲載されています。

    教科書的に良いか悪いかは別にして、大切なことは、社員にも共感できるかどうかです。


    経営理念に社員が共感できると、組織としての会社のベクトルが同じ方向に向かいます。

    そうなると1人と1人の力の和が、足し算ではなく、かけ算になり、

    ゴールに向かう力が格段に上がります。


    そして、この質問に明確に答えられ無かった方。

    チャンスです。是非、社員と一緒に経営理念を明確にまとめ直されることをお薦めします。



    では、次回は、経営の目的である経営理念を達成するために、

    必要なものの一つ、ビジョンについて書かせて頂きます。

  • 経営者のための読むコーチング 第2回「経営承継の決断②」

    『経営者のための読むコーチング』シリーズは、

    経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、

    読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。

    では、本題に移ります。

    前回、経営を承継するにあたり、ビジネスモデルを把握しているか、

    という質問をさせて頂きました。

    今回は、その先の後継者としてのゴールについて書かせて頂きます。



    後継者が経営を承継した先に、どんなゴールをめざすのか、ということはとても大切です。

    このゴールの設定に決められたものはありません。

    むしろ、ゴールを自由に設定できることこそ、経営者の醍醐味だと言えるでしょう。


    今まで、拝見した経営者のゴールには次のようなものがありました。一部を紹介させて頂きます。

    ・会社を成長させる。

    ・先代を超える

    ・社員を従わせる

    ・とにかく稼ぐ

    ・社会の課題を事業で解決する

    ・社会にインパクトを与える

    ・他人より良い暮らしをする

    ・子供に引き継ぐまでに無借金にする


    一見、立派なものから、泥臭いものまでいろいろあります。

    経営者の本音ですから、何が良いとは言えません。

    考えること、思うことは本当に自由です。

    公の場所で聞かれたら、気恥ずかしくて、とても答えにくいこともあります。

    でも、ここでしっかり自分の心と向き合っておかないと、どこかで後悔することになります。

    では、お尋ねします、


    ・経営者としてのゴールは何ですか?


    この、ゴールに対して、ご自身がどれだけ執着できるか。

    それ次第で、事業の成否とやりがいが大きく左右されます。

    後継者の方に限らず、この記事を目にされた経営者の方、一度、じっくり考えてみて下さい。

    ご自身の本当の心の中に気づかれた時、凄い力が湧き出てくると思います。


    では、次回は、そのゴールを目指すために必要なものは何か、について書かせて頂きます。

  • 経営者のための読むコーチング 第1回「経営承継の決断①」

    『経営者のための読むコーチング』シリーズは、

    経営上のいろんな決断の場面を想定して、その時、何を考え、何を決断するのか、

    読むだけで頭の整理をして、気づきを得て頂くことを目指しています。

    では、本題に移ります。

    京都には200年を超える老舗企業がたくさんあります。

    私どものお客様にも数多く十数代目の社長がおられます。

    脈々と経営を引継、事業を継続されるのは大変なことです。心から敬服しています。



    さて、今回は、そんな大変な経営承継の場面です。

    先代から経営を承継することは、

    十数代目であっても二代目、三代目であっても基本的には同じような悩みを抱えられます。

    そう言う私も会計事務所の二代目経営者です。



    ある時、三代目経営者になる予定の28歳の方から質問されました。

    「経営者になるって何をすることですか?」

    「対外的なお付き合いに顔を出して、地域や同業の経営者と付き合うことでしょうか?」


    突然の質問だったのと、適当に答える内容では無かったので、

    咄嗟にその場で何と答えたかは、忘れましたが、

    後日、改めて経営承継についてお話する場を作って頂いたのを記憶しています。



    確かに、事業に関わって日が浅く、会社の全貌も分からず、

    さらに先代経営者とのコミュニケーションも希薄な状況では、

    悩む以前に、何をして、何ができて、何をしなければならないのかも

    全く分からないのも無理はないです。



    このような場面で、後継者の方や初めて会う経営者の方にいつも聴いているのは、

    次のようなことです。

    ・御社のビジネスモデルを簡単に説明して頂けますか?

    ・難しいことではなく、何を仕入れて、何を売って、何で利益を上げていますか?

    ・そのビジネスモデルの特徴、他社との違いを教えて下さい?

    いかがですか。しっかりした経営者は、この質問にすらすらと答えられます。

    簡潔にも説明して頂けるし、こちらからさらに質問すると、より詳しくお話して頂けます。

    一方で、この質問に困られた方は、

    まずは、社内の状況を見渡して、この質問に答えられるようになるのが経営承継の第一歩です。


    その時に、「人・物・金・情報」に分けて会社の状況を把握されると良いでしょう。

    会社のビジネスモデルの特徴が見えてくると、その先の事が気なってきます。

    今後起こりうる社内外の環境の変化にどう対応するか、

    何が課題か、今まで意識してこなかったことが気になってきます。


    ここで、将来の可能性を感じて、やる気が高まってくればしめたものです。



    では、次回は、その先の後継者としてのゴールについて書かせて頂きます。